誰かと一緒にご飯を食べる時、
向かい合わせになるのか、
隣どうしで横並びするのか、
机の角をはさんで90度の関係をとるのか。
10代、初めてのデートで向かい合わせになって座った喫茶店で、ソーダ水のストローを口に運ぶだけに、ハンパない緊張をしたせいか、どうも向かい合わせで座ると緊張する・というか戦闘モードな気分になる。なぜか受けてたたねば、という気分が心の表面にオブラートする。
だから、のんびりと誰かと食事やお茶をするなら向かい合わせ以外を希望する。
こういうのを小さなトラウマと言うのだろうか。そういうトラウマもどきを持った自然療法家だからこそ、セラピストとして相手に向かう時、立ち向かわない施術の位置関係好み、その結果、クライアントとセラピストという施術を受ける側とする側の空間を、本気で考えることになったんだと思う。
クライアントとセラピストの相互間の空間を考えると、空間を認識する脳と、脳に空間の認識をさせる情報を送る、目と鼻と耳のことを追求することになった。そして、施術という触れる行為がそこに起きるので、触れることによる心身を含む脳への影響と、骨格と筋肉を含む物理的な可動性とのランデブーを試行錯誤することにも自ずとなった。
そうしたら、向かい合わせではなく斜め横、骨格にも筋肉にも脳の情報分析にもリラックスをもたらす空間が、施術をする自然療法家には必須だという結論に達した。かれこれ12年ほど前のこと。
さて、それをどう伝えたらいいのかなあなどと考え、アロマハンドトリートメント協会を設立し、講座や施術会を開催し続け、皆ができるようテキストを作り続け、やっとこさ、今年『アロマハンドトリートメントの教科書』が出版されました。ふと気づくと協会は、10年目を迎えてた。
空間を考えてきた12年。
次の12年も考えていこう。
時を連ねて。